息子もはじめて電車に閉じ込められた

元気かな?地震の日のこと。

その日に限って息子は携帯電話を持っていかなかった。学校には到着していないようだった。電車が止まり続けていることと、大きな事故が起こっていないことはわかったので、どこかで無事にはしているのだろうと思った。

息子は2時間半ほど電車に閉じ込められた後、地上に降りて、歩いて学校に行ったとのことだった。学校に到着したのは11:30頃。お弁当を食べて、家に帰るために学校で待機し、バスや動き始めた別の電車の路線を使って遠回りしながら、少しずつ家に近づいてきた。朝も帰りも公共交通機関はずっと立ちっぱなしだったそうだ。

僕が息子の顔を見たのは19:30。きっと疲労困憊だろう、悲壮感でいっぱいだろう、変なテンションで不機嫌になっているだろう、と思っていた。すべてを受け止めてあげようと心の準備をしていた。

まったく予想しなかったことに、息子はけろっとしていた。疲れていないと言ったら嘘になるけど、けろっとしていた。朝から起こったことを淡々と聞かせてくれた。いい経験をしたと言っていた。僕は心の中ではそうは思っていたけれども、息子が自らそんなことを言うとは思ってもみなかった。

無事だったことでほっとしたし、疲労困憊という感じでもなかったことでほっとしたし、精神的なショックを受けていなさそうなことでほっとした。でもその安堵感を超えて、すごい子だなと思った。僕が想像してきたよりもずっと息子はしっかりと成長してきているんだなと実感できた。僕にとっても大きな日になった。