入学手続きまでにいくつかの囁きがあった。

元気かな?

 

12月下旬に合格通知が届いて一安心だったけど、その時点で翌年の3月・4月の仕事は疲弊モードになることが確定していた。何とか4月を気合で乗り切ろうと思っていたので、入学手続きをすることにためらいはなかった。

年が明けて術後の定期検診があった。傷痕は落ち着いたと言ってもらえた。手術前と比べると背中と右腕の機能は随分と向上して満足していたが、いわゆる正常レベルではないだろうことは自覚していた。お医者さんは再手術を提案してきた。お医者さんの言うように気になる3箇所にメスを入れたなら、僕の背中と右腕の機能はさらに大幅に向上するだろうことは僕にも想像ができた。夏くらいにと言われた。もしも手術を受けるとなるとおそらく1か月半くらいは社会復帰できなくなる。そうすると学校もそのまま1か月半休むことになる。その代わりに僕の体はさらによくなる。

そうこうしているうちにコロナ不安が蔓延し始めた。職場や会社全体が混乱することは想像できた。僕の仕事自体もどうなるかが読めなかった。

でも僕は入学手続きを済ませた。4月からの2年間がきっと僕の人生の転換点になる予感があったし、転換点にしようという意志があったからね。

まだ変化は目に見えないけど、僕はすでに変身しはじめているのかもしれない。どのような姿に変身するのかはわからないけど、少しはかっこいい大人に近づけている気がしているよ。