導かれる流れに乗ってみる② ~入院日記~

元気かな?続きの話。

 

街のお医者さんは、僕の背中と腕の写真を取ってそれを見せながら説明してくれた。がんという言葉は用いなかったけれども、いわゆるがんの可能性があると。生検をしなくてはいけないと。がんだったことを考えるとはじめから大きな病院で生検をするほうがいいと。そこで、僕はある病院のあるお医者さん宛の紹介状をもらうことになった。火曜日か金曜日に行ってくださいとのことだった。軽い気持ちで病院に行ったのに、まったく思ってもみなかった展開になった。けれども焦ることもなし、僕は紹介先に行く予定を組まずにいた。仕事が落ち着いたらなんて考えていた。1日早かろうが遅かろうがたいした違いはないだろうと考えていた。

 

8月20日はもともとお嫁さまと梅田でデートをする約束をしていた。ところが直前になってお嫁さまがどうしても仕事を休めないことになった。お嫁さまは仕事に行き、火曜日だったこともあり僕は紹介先のお医者さんを訪ねた。もしもお嫁さまが予定通りに仕事を休んでデートをしていれば、僕はいまもこの病院を訪れていなかったかもしれない。