優しい人 ~入院日記~

元気かな?力強さと愛に満ちた本に出会ったよ。

 

写真家の幡野広志さんの『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる』という著書。僕は幡野さんのように死に直面しているわけではないけれども、僕にとってはベストなタイミングでこの本に出会えたと感謝している。

本の中で「優しい人」について次のように表現されていた。

・優しい人というのは、人の体や心の痛みを理解できる人だと。

・相手を慮ったうえで、自分のできる方法で手をさしのべることができる人が、僕が思う、本当に優しい人だ。

 

僕には大きな夢も目標もない。ただ優しい人になりたい。今回の誕生日の際に思ったのも、優しい人になりたいということだった。

この世のすべての人の体や心の痛みを経験することはできないし、理解することはできない。でもこの1ヶ月で、多くの人のおかげで、人の体と心の痛みについての想像力だけはましになった気がする。相手を慮るだけの土台は少しは築けた気がする。

入院生活はいよいよ終盤に入った。少しでも優しい人になれるように、この心穏やかな時間を噛み締めて過ごしたい。