人の見え方 ~療養日記~

元気かな?せっかく退院したけど、起き続けるのが難しくて昨日はほとんどゴロゴロしてたよ。

 

傷自体は数ヶ月かけてこつこつ回復していくだろうから心配はしてないけど、体力面とメンタルが弱っているのを感じている。とはいえ、ゴロゴロし続けるわけにいかないから、強制リハビリのつもりで少し電車に乗ってカフェに行くことにした。

 

踏切や階段をゆっくり歩く。ふらふらしないか気にしながら歩いていることは、周りの人は知らないだろう。

電車で立っているのも、座る時と立つ時がつらいからだとは、周りの人は知らないだろう。

鞄を利き手ではない左手で持ち続けているのも、右腕と右肩を庇わなければいけないからだとは、周りの人は知らないだろう。

いまカフェで緩慢な様子でいることも、体全体にエネルギーが満ちていないからだとは、周りの人は知らないだろう。

 

その人が何を背負っていてどういう状況かなんて、そもそも周りの人にはわからない。たとえ弱っていたとしてもわからない。同じ電車に乗った人たち、いま同じカフェにいる人たちも、重いか軽いか、大きいか小さいかは別にして何かを抱えているんだよね。ひょっとしたら隣の人は実はとてもつらいものを背負っているかもしれない。

 

いま僕自身が弱っているからかもしれないけど、人の見え方がこれまでと違っているように思える。ほんの少し優しさが芽生えている気がしている。できればこのまま少し優しい人間になりたいな。