稀有なバスツアー③

元気かな?

続きの話。4つ目の集合地を出て高速道路に入ったのも束の間、いきなり吹田ICで休憩となった。それだけでも驚いたが、バスガイドさんが僕たちに告げた集合時刻はなんと2時間後だった。お嫁さまは呆れ過ぎてくすくす笑っていたが、他のお客さんは積り積もったものがあったんだろう。怒りを表す人もいた。間違いに気づいたバスガイドさんが、あらたに告げた集合時刻は2分後だった。お嫁さまはケタケタ笑っていたが、他のお客さんはそうではなかった。「すいません、すいません。いつもはこんな失敗しないんですー。今朝からねー、時計がおかしいんです」と言うもんだから、お嫁さまは腹を捩って笑っていたが、他のお客さんの一部はまったくそうではなかった。

イライラの空気に流されかけている息子には、「バスガイドさんとお客さんの様子をよく見ておくように。こんなん教科書にも書いてないし、学校で絶対に習わへんから。いい勉強になるから」と告げて、一緒にバスを降りた。

ふと見ると、1人の女性客がすごい剣幕でバスガイドさんにまくし立てている。バスのエンジン音で何を言っているかはわからなかったが、間違いなくキレている感じだった。僕には事件が起きた記憶がなかったんだけど、きっと3つ目の集合地~吹田ICまでの間に何らかの粗相があったんだろうね。

15分後に吹田ICを出発するやいなや、やめとけばいいのに、例の言い訳がまた数度繰り返された。