稀有なバスツアー④

元気かな?

続きの話。まだまだネタはあるんだけど、これで最後にするね。

ツアーの目玉の一つが梅小路蒸気機関車の博物館(8月末で閉館)だった。バスガイドさんは建物の外に僕たちを待たせて中に入って行った。「〇〇旅行です。〇〇人です。」と伝えに言ったのだろうと思ったが、全然戻って来ない。真夏の晴天。20分以上待っていた。女性客がバスガイドさんに文句を言いに行ったが、バスガイドさんは出てこないし、僕らは中に入れない。

どれだけ待ったんだろうね。出てきたバスガイドさんを数人の女性客が取り囲んだ。

「あなたのせいで旅行が台無しよ」

「添乗員辞めて」

こんなことばが聞こえてきた。こんなことを言われるガイドさんがいるんだね。様子を見て「こわいこわい」と思ったりもしたが、バスガイドさんに同情をすることはなかった。僕たちがようやく入館した後、バスガイドさんは受付の人に叱られているようだったが、僕たちは気に留めもしなかった。

帰路でもやっぱり、「こんな失敗は初めて」であること、「自分は新人である」こと、「一生懸命やっている」こと、「だから了承してください」、を繰り返していた。

「こんな失敗しちゃいましたーって上司に報告しますので、ご了承ください」とも言っていた。

最後には自作の和歌を詠んで、「みなさまとまたお会いしたい」と締めくくった。

「絶対に報告しないよねー」っていうのが僕たち家族の一致した意見だった。