息子にしつこく薦められていた本を読んだ

元気かな?最寄り駅から家への道の日蔭では湿度を感じることなく、爽やかな風が吹いていた。夏を思わせない肌の感触にびっくりしたよ。

実家ではちょこちょこっと一人になれる時間があったので、4月から息子に薦められ続けていた本を読んだ。正確には、僕が読もうと思って購入したところ、息子が興味を示したのでそのままプレゼントしたもの。息子にとっては課題図書以外で初めて自ら手にした本となった。

『ソバニイルヨ』(喜多川泰 著)。

息子は何に対してかわからないが「感動した」と何度も言っていた。「いい話やった」「パパも早く読み」ということもしつこく言っていた。

僕は喜多川泰さんの作品が好きなので、息子に教えてもらわなくても、いい話であろうことはわかっていたけれども、息子自身がいい話だと感じたことが僕にはうれしかった。息子はそれから喜多川泰さんの本を4冊(順に『おいべっさんと不思議な母子』『「また、必ず会おうと」誰もが言った。』『君と会えたから』『賢者の書』)読んだ。

僕が喜多川泰さんの作品を目にするのは久しぶりだったけれど、相変わらず読みやすく、すぐに作品の世界に没頭していった。本を読んでいて、涙が頬を伝わり続けることは時々あるけれども、今回の後半は嗚咽せざるを得ない状態になったので、トイレに隠れて最後まで読み終えた。

おそらく息子が感じた感動と僕の感動は違うだろうし、ポイントも違うだろう。でも同じ本でそれぞれが心震えたという体験を持てたこと、息子と僕に共通の本ができたことが、僕にはとても幸せなことだった。