点筆

元気かな?
点筆って知ってるかな?点字を打つ時に使用する器具なんだけど、それを握って2×3の6個のスペースに1つずつ点を打って凹みを作り、文字を表現するんだよ。一時期、点訳(文章を点字に打ちかえること)に夢中になっていたことがあって、大学の授業に出るかわりにひたすら点字を打っていた。一冊の本を何人かで分担して点訳して、完成したものを視覚が無い人に渡すということをやっていた。夏休みには琵琶湖に泊まり込んで点訳をしたりしていた。

点字を打つには、点筆の他にブレイラーというタイプライターみたいなものもあって、両手の人差し指・中指・薬指で操作する。点筆に比べるとスピードは格段に速くなる。僕は経験したことがないんだけど、パソコン点訳というものもあって、点筆と比べると、桁違いに超速い。

効率を考えると点筆は1点1点打たないといけないからもっとも非効率なんだけど、でも僕は点筆が好きだった。たった1つの点の集合が文字になり、ことばになり、文になり、文章になる。1つ1つの小さい行動が1つのストーリーになっていく感じがあって、なんかすごいねって感じていた。それと、自分の手作りの1点1点が相手に届いて喜んでもらえるっていうのも、なんか素敵だなって思っていた。

それにしても。文字を6点の組み合わせで表現できるって気づいた人はすごいね。発想力を尊敬するよ。