きれいな色 ~入院日記~

元気かな?テレビは毎朝夕のニュースを観ている。あんぽんたんな記者会見が話題になっているね。僕も気をつけようと思ったよ。

 

背中の右半分は今もガーゼとテープできっちりと蓋をされている状態だけど、1回目の手術で切ったり縫合してもらったりしたところはすでに剥き出しなので鏡越しに見ることができる。そのうちの1つの右腋周辺が時々ちくちく痛む。お医者さんは毎日「背中はどうですか」「足はどうですか」と聞いてくれる。右腋も時々痛むと訴えると、治るまでに数ヵ月はかかるものだけど、腫れてもいないし、「きれいな色」をしている、だから大丈夫だと言ってくれた。

 

大丈夫と言ってもらえた安心感を通り越して僕を極めて興奮させたのは「きれいな色」という表現だった。えぐれた背中ほどの恐怖感はないまでも、右腋も結構グロテスクでおそろしい。10000歩譲って「興味深い色」「複雑かつ濃厚な彩り」と表現できなくもないが、決して「きれいな色」とは思えない。

 

立場の違いだね。同じものを見ても感じ方や解釈がぜんぜん違う。おもしろくてたまらない。