心配りと仕組み ~入院日記~

元気かな?売店近くの窓から見える空が美しかったよ。

 

先月の話。十五夜の日の晩ごはんのトレイに、葉書サイズのお月見のかわいらしいイラストが描かれたカードが乗っていた。そのカードを通して季節を感じることができた。カードには「栄養士・調理師一同」と印字されていた。おまけに、デザートのゼリーの真ん中にはお月さんみたいなまん丸のものが入っていて、そのお月さんでウサギが餅つきしていた。ほっこりした。

 

今朝の話。朝ごはんのトレイに、葉書サイズのバースデーカードが乗っていた。カードには「栄養士・調理師一同」と印字されていた。嬉しかった。すごいなと思った。

 

手作りのカードではないし、一人ひとりに合わせた個別のデザインでもないだろう。大量に作っているものだろう。僕の誕生日を覚えているわけではないし、何者かも知らないだろう。でも季節のイベントや個人的なイベントにあわせて、一人ひとりに心を配る仕組みがある。その仕組みによって癒される患者がいる。同じように仕組みを使って誕生日に営業くさい、宣伝くさいメールが企業やお店から届くが、心配りを感じはしない。

 

この病院に入院できたおかげで、心配りと仕組みは両立するんだということを学ばせてもらった。素晴らしい誕生日プレゼントだったよ。