親孝行 ~運動会にて~

元気かな?

運動会開始待ちのシートにて。まだ何のプログラムも始まってないのに、僕は既に幸せ感でいっぱいだった。息子が今年も運動会に普通に参加できるほどに元気に育ってくれたこと、息子のがんばる姿を見られること、これだけで十分だった。

昨年はリレーのアンカーに選ばれて、欠員の分まで走ったことが誇らしかった。今年もアンカーに選んでもらって、欠員の分まで走ることになったんだけど、昨年のような誇らしいという感覚ではなかった。走っている姿が目に入っただけで涙が出てきた。

団体演技のダンスでは、楽しそうに踊っていた。いっしょうけんめい練習したんだろうことも伝わってきた。その様子は僕をものすごく幸せな気持ちにしてくれた。

「これまでにもう一生分の親孝行をしてもらったな」

僕の胸は息子への感謝の気持ちでいっぱいになった。「ありがとう」って何度もつぶやいた運動会になった。