おつり

元気かな？
コンビニとかカフェとか駅の売店とかスーパーとか。今日はやたらと支払いをしたので、悔しいことにどこのどのお店だったか記憶にない。でも、あるお店ですごく幸せな気持ちになったことははっきり覚えている。

その人のおつりの渡し方はとても美しかった。２１世紀最高の渡し方だった。もしも、全国おつり渡し選手権があったとしたら、どれだけ判定に恵まれなかったとしても最低でも審査員特別賞はもらえるだろうね。よく投げつけるような渡し方に遭遇するんだけど、まったくの正反対だった。比べるのも申し訳ないくらい。

おつりが僕の手に確実に渡るように、僕の手がきちんと開くまで待っているのがわかった。そして僕の手のひらにゆっくり乗せた。もちろんもう片方の手を僕の手のひらの下に添えるのも忘れない。おつりを乗せておしまいではなく、両手でやさしく包むような仕草で締めくくった。

マニュアルがそうだったとしても、あそこまでゆったりと柔らかな動作はできないだろう。お金を大切にしているからこそ、仕事を大切にしているからこそ、お客さんを大切にしているからこその総合芸術なんだろうね。
時間にしてわずか数秒。しかしながらその数秒に姿勢や心が表れるんだなあとあらためて思ったよ。勉強になったよ。

すごい人、素晴らしい人がいるもんだね。

今日もいい日だったよ。あなたにとっても幸せを感じられる１日であったなら、とてもうれしいな。