ことばの定義

元気かな?
「組織内では、立場が上になるほどことば一つ一つを考えて用いることが必要だよね」って、いつ頃からかすごく思うようになった。つまり、ことばの定義が大事だよねってこと。

たとえば、コミュニケーション力。
「あいつはコミュニケーション力がない」とか「あいつはコミュニケーション力が高い」といった声が聞こえてくることがある。そういうことを言う人達を観察すると、よくしゃべるとか、人当たりがいいとか、飲みの誘いを断らないとか、そう人をいわゆるコミュニケーション力が高い人と認識しているようだ。

あるシーンで「コミュニケーション力を強化しろ」という命令が組織内の全メンバーに出されたとする。
コミュニケーション力はないよりもあった方がいいし、強化しないよりもしたほうがいい。だからそのことについては誰も反対はしない。でも、コミュニケーション力の捉え方は人それぞれだから、仮にメンバーが命令に従ったとしても、方向はばらばらで組織運営の効率が悪い。僕自身は昔から訳のわからない命令には従わないか、ちゃんと定義してくれと要求するからいいんだけど、従順に命令に従って頑張る人達の頑張りが、方向性が揃わないために大して活かされないことが容易に想像できる時、とてもやるせない気持ちになる。

たった1つ。「コミュニケーション力とはこのように定義しています。そのためにこの行動に着目します。この指標で測定します」と添えるだけでメンバーも経営も双方がHAPPYになるのにと思う。

ちなみに、僕は、
「制約の厳しい環境下でも、相手とよりよい状態を確実に創り出して価値を生み出していける力」が、仕事上のコミュニケーション力だと考えている。

新入社員をはじめ、若手の方々が「コミュニケーション力」がないっていうようなレッテルを貼られる可能性があるんだけど、ぜひくじけないで欲しいなと願っている。まっとうな指摘はありがたく受けないといけないけど、コミュニケーション力云々を言ってくる人自身にコミュニケーション力があるとは限らないからね。