ある社長の会見より①

元気かな?
テレビ番組の中である出来事に関して、「上司が実験ノートをチェックしないのはおかしい、きちんと指導しないのが悪い」って言っている人がいた。それを観て僕はあることを思い出した。もう飽きられちゃったけど、食品表示偽装の報道が流行っていた頃のこと。ある社長が「社員のレベルがこんな程度だったのかと驚いた」みたいなことを会見で言っていた。

他人事のようで誠意を感じさせにくいその会見は多くの批判を浴びまくった。僕自身も「こんな社長だと、部下はやってられないね」と思ったよ。でも一方で、責任逃れのつもりじゃなくて、正直な感想だったのかもしれないなとも思った。(←だったとしても公の場で口にするのはダメだけどね。)

僕がある仕事を引き継いだ時、「信じられない、考えられない、めちゃくちゃやないか」と思わせることのオンパレード、出血大サービスだった。憤りを通り越して何だか哀しく虚しくなった。でも、これがもし仮に前任者が新人だったとしたらここまでの心境にはならなかっただろうと思っている。「このキャリアだったらこんなことは当然やっているだろう」とか「このキャリアだったらまさかこんなことは起こらないだろう」っていう先入観があったからこそ、大きなギャップを余計に感じてしまったんだね。きっとその人の上司も、むちゃくちゃな状況になってるなんてことは想像すらしてなかったんじゃないかな。

結局は上司の責任、社長の責任ってところに行き着くんだけども、でも、心情的には、何でもかんでも上司の責任にしてしまうっていうのはちょっと違和感があるな。

この話、長くなりそうだから、いったんここで区切ることにするね。