社会人の憧れ

元気かな?

学生の時に一人暮らしをしていたので、社会人になっての一人暮らしは2回目だった。学生の時の部屋は汚くて狭くて湿っぽくて三角形だったから、四角いまともな部屋に住むことは社会人になった僕の憧れの一つだったんだ。当時、住まいについてはまだ憧れがあってね。ど下町育ちだったので閑静な住宅地という所に住んでみたいと思っていた。陽のあたる焦げ茶色のフローリングの部屋に住んでおしゃれ気分に浸りたいと思っていた。さらに観葉植物を愛でたいとも思っていた。皮のソファに腰かけて、ロイヤルミルクティを右手に、左手にはペルシャ猫、そんな休日の姿も想像していた。

望むものは半分くらいは手にいれて、僕が妄想していたおしゃれ生活が始まった。でもしばらくすると、「何でこんなに静かなん?静か過ぎてちょっとおかしんちゃう?」とか「近くに喫茶店とか食べ物屋さんがないなんて信じられへんわ、不便過ぎやわ」とか思い始めた。フローリングはいろんな物に隠れて見えなくなった。観葉植物も次々に枯らせてしまった。僕の柄ではなかったんだね。

 

憧れの状態って必ずしも自分にとって正解とは限らないんだね。僕は社会人になって間もなくこのことを学べた。もし憧れていただけなら気付かなかったけど、実際に憧れに近づくような行動を取ったからこそ本当の自分を知ることができた。

ただ、唯一後悔しているのは、観葉植物を早々と枯らせてしまったこと。ちゃんとした人に世話をしてもらっていたら植物なりにもっとイキイキと暮らせただろうに、僕の憧れに付き合わせてしまってとってもかわいそうなことをしたと思っている。

そこに住んだのは3年半だけどすべてひっくるめて、僕の人生にとっては貴重な時間であり空間であったと思ってるよ。

 

あなたの憧れの状態ってどんなのかな?機会があれば聞かせてもらえるとうれしいな。