コカコーラ③ ~僕とオトンとコカコーラ~

元気かな?

またまたコカコーラの話。コカコーラが体にいいって言う人にはまだ会ったことがない。反対のことを言う人にはたくさん出会ったけどね。息子は僕のコカコーラのさわやかな飲みっぷりをずっと見ているけど、飲んでみたいと言ったことがない。だから僕も息子には積極的に飲ませようとはしない。僕も少なくとも子どもにはよくないと思ってるのかもしれないね。

僕がまだ幼稚園に通うか通わないかの頃。父がどんぶり鉢に入った黒っぽい液体をよく飲んでいた。父はそれを薬だと言っていた。永らく当時の僕はそのことばを信じていて気にとめなかったんだけど、幼心にもちょっと怪しいなと思ったんだろうね。父がどんぶり鉢に入った例の薬を飲んでいたある時、「飲ませて」と頼んで飲んでみた。僕の口に合わなければそれを薬だと信じきったんだろうけど、幸か不幸か、幼児の僕にとてもおいしく思えちゃったんだね。これは薬じゃないなと。これがコカコーラというジュースだというネタばらしがあったのはそれからすぐのことだった。その時から僕はコカコーラドランカーになって今に至っているよ。

父もきっとコカコーラは子どもにはよくないと思っていたんだろうね。でも父もきっとコカコーラが好きだったんだね。僕が興味をもつといけないから、母にわざわざどんぶり鉢に注いでもらって、薬のようにみせて飲んでいたんだね。これも一つの愛情の形だなってうれしく思うよ。

コカコーラは僕にとっては親の愛情、親のありがたさを思い出させてくれるものなんだ。特別な存在。だからいつまでも飲み続けたいと思うし、いつまでも飲み続けられるくらい胃腸の丈夫なお年寄りになりたいと思うよ。