幸せの本質①
元気かな?今日はえらく寒かったよ。寒すぎ。新たな養命酒を入手してきたよ。
僕は2012年の途中から昨年の終わりごろまで、期間限定であるチームを率いた。
引き継いだ時はありとあらゆる建て直しをする必要がある状況だったんだけど、チームメンバーはこれまで健気に仕事に向き合ってきたんだろうことはわかった。「状況がどうあれ、ここからはすべて僕の責任」。そう思ったことをはっきり覚えている。
何かの縁、何かの運命でチームメンバーと出会った。その縁あるチームメンバーをどこまで愛せるか。僕にはそのことが試されていると思った。
建て直しというミッションはむしろ当然。それよりも、チームメンバーの一人ひとりが、仕事のやりがいを見出し高め、楽しくなる仕事のやり方というものを体感し、自分自身で自分の成長を感じられるような状態にすること。このことが僕の役割だと強く思った。
しばらくして職場は完全に健全化し、僕が去る頃には成長軌道にも乗ったんだけど、それはすべてチームメンバーのがんばりのおかげなんだ。「毎日が楽しい」とうれしそうに話してくれるメンバーの顔を見るだけで僕はうれしかった。
残り1ヶ月を切ったときのこと。ぼくははじめての経験をした。
僕がその職場の戸締りをするんだけど、毎回電気を消す時に「今日もありがとう」っていうことばが口から自然にこぼれるようになった。自分でも不思議だったけど、誰もいない所でも「ありがとう」っていうことばがたくさん口から出てきた。ついつい言っちゃう。こんなことははじめてだった。
チームを去る瞬間、チームメンバーには感謝の気持ちしかなかった。“しかなかった”というよりも、体も魂も感謝の気持ちに満ち溢れていたというほうがよりぴったりくる。
何への感謝か。
僕についてきてくれたこと、すばらしいチームになったこと、お客様に自信のもてる商品を提供できるようになったこと。これらももちろんそうなんだけど、でも違う。
1回きりの人生の中で、すばらしいメンバーと、熱く、楽しく、幸せな時を過ごせたこと。日々感謝を感じさせてくれるメンバーと過ごせたこと。誇りに思えるメンバーと仕事を積み重ねることができたこと。こんな人たちと時間をともにできた自分は幸せ者だと思わせてくれるようなメンバーに出会えたこと。このことへの感謝なんだ。
メンバーと重ねた時間によって、僕は僕にとって大事なことに気付いちゃった。
僕にとっては何をするかはあまり重要じゃない。
誰とするか。その人たちの笑顔をどれだけ増やせるか、喜ばせることができるか、幸せな気持ちで時間をともに重ねていくことができるか。
僕の幸せの本質はここにあるんだ。
このことに気付くことができたのも幸せだよね。
メンバーとはもう会うこともないけど、一人ひとりが元気で幸せでいてくれることをずっと祈っていたいと思っている。